みなさんこんにちは。バイオトイレ担当のSです。
公園などに設置されていて、誰でも使えるバイオトイレを紹介しております、
「行って使えるバイオトイレシリーズ」第3弾!
今回は富士山 富士宮登山口編です。
日本一の山、富士山。
コロナ禍以前は日本国内はもちろん、海外の観光客にも大人気の山でした。
そんな富士山山頂を目指すための登山道(4ルート)が利用できるのは1年の内で7月・8月の2ヵ月間のみで、それ以外は登山道が閉ざされるほど自然が厳しいところです。
2021年は7/10~利用開始となるそうです。
2021年3月に起こった五合目レストハウスの火災のため、例年と運用が変わっていることがあります。事前に富士宮市のサイトで最新情報を確認の上ご利用ください。↓↓
http://www.city.fujinomiya.lg.jp/fujisan/visuf8000001e42l.html
今回紹介するバイオトイレは2013年、富士山が世界文化遺産へ登録された年に、小林製薬株式会社様より寄贈されたトイレです。
バイオトイレが登場する前は登山道のトイレ環境はあまり良いものとは言えず、汲み取りもしない「浸透放流式」のトイレがよく利用されていました。
【浸透放流】と書くと一見綺麗なイメージが出来る字面ですが、排泄物を山肌に染み込ませて分解・蒸発させるという仕組みです。(要するに「垂れ流し」です)
しかし空前の登山ブームが到来、登山者が増えトイレットペーパーは分解もされないので残ってしまう所謂「白い川問題」となり、これが世界遺産登録への障害ともなっていたのです。
水洗トイレどころか汲み取り式も出来ない。
そこで、オガクズ式のバイオトイレが導入されて現在では富士山登山道内に設置されている山小屋などで多数使用されています。
約2ヶ月間しか使えない幻のトイレ
静岡県側の富士宮口登山道にある駐車場に毎年7月前にバイオトイレは設置されます。
そして9月になると撤収作業を行い、2合目の駐車場まで下ろすようになっています。
それはなぜか・・・
冬季の雪・雪崩によりなくなってしまうからです。
山小屋などは対策済みなのでそのまま越冬となるですが、テラスに設置された手すりなどは雪崩にあって流されることが多く、翌年6月に準備のために登ると跡形もなくなっていることが珍しくないそうです。
まさに大自然の驚異ですね。
バイオトイレが流されたらと思うと…考えただけで寒気がします。
(外装も含めると約2t弱あります。)
そういう事情から山頂部の携帯電話の基地局も毎年登山期間のみ設置、撤収されているそうです。
閉山期間中に無理に登山をしても携帯がつながらず、助けを呼ぶこともできなくなり非常に危険ですから富士登山は開山期間を守って楽しみましょう!
電源もレアな仕様!
さて、話をバイオトイレに戻すと、 このバイオトイレの電源は …
エンジン式の発電機を使用しています。
設置場所は富士山5合目、標高2,400m!
地上よりはるかに空気が薄いためエンジンを作動させるガソリンが燃えににくくなっており、エンジンにとってはかなり過酷な条件!
すぐに運転が止まってしまい、エンジンの再稼働に時間が掛かることもしばしば…そんな過酷な条件をクリアする為、ディーゼルエンジン発電機(軽油使用)に変えることも現在検討されているそうです。
富士登山の際はぜひバイオトイレの設置台数の多い静岡県側から・・・!
バイオトイレを発見された際には是非とも使ってみてください。